今回は、竜とそばかすの姫はメタバースの世界!見どころと込められたメッセージを紹介!というテーマでお届けします。
2021年7月に公開された細田守監督の竜とそばかすの姫は、国内興行収入年間第3位となる66億円の大ヒットを記録した作品です。
国内にとどまらずにフランスのカンヌ映画祭では14分にも及ぶスタンディングオベーションを巻き起こしました。
今回は、特に世界中で高く評価されている細田守監督の描いた仮想空間メタバースに焦点を置いて、見どころと込められたメッセージを紹介していきたいと思います。
この竜とそばかすの姫への評判は賛否両論あり、正直なところ酷評もかなり多く見られます。
人それぞれの受け取り方や感想はあると思いますが、それだけ幅広い糊代を持っている作品です。
では、早速竜とそばかすの姫はメタバースの世界!見どころと込められたメッセージを紹介!
お付き合い下さい!
目次
竜とそばかすの姫はメタバースの世界!
細田監督「いまのVRゴーグルは、成人男性はいとわないかもしれませんが、女性はすすんで着けないと思いますよ。格好悪いし、前髪も崩れるしそんな格好したくないでしょう。」
映画で学ぶメタバース 「竜とそばかすの姫」 細田守監督に聞く: 日本経済新聞 https://t.co/dpUpyiHGpq
— ゲッキー@激安🐣超特価商店街 (@gekiyasu) July 7, 2022
メタバースというのは要するにヴァーチャルの世界、仮想空間のことです。
メタバースとは:
メタ(meta:超)とユニバース(universe:宇宙)から作られた合成語
この映画を鑑賞した方の感想で、最も多く聞くのが映像の素晴らしさです。
CGを使って表現したこの仮想空間の壮大さには、圧倒され思わず息を呑む感じがします。
今現在は疑う事なくネット社会です。
特に新型コロナウィルスのパンデミック禍では、直接リアルでの交流は悉く制限され、学校も仕事も親戚付き合いもリモートやSNSを通したりとすっかり変わりました。
そのネット上において、通常私たちは自分の一面しか伝えません。
それにより相手は自分がどんな人物かを理解するので、実際その二つにはギャップが生じる事もあります。
正に、竜とそばかすの姫の中のUという50億人もが登録している仮想世界の中では、真の正体を隠しながら分身のアバター・アズが生きる世界です。
今の人口から考えたら殆どの人がUに登録しているわけで、それぞれがパラレルワールドを作っているかの様ですが、その分身アズの姿がかなり自由なのと基本的に相手の正体が分からないというのがパラレルワールドとは違う訳ですね。
現在あるロールプレイング的なゲームなどでは、プレイヤーが正に仮想空間に入り込むような感じですが、自分が自分の分身をコントローラーで操るという仕組みです。
ところがこの仮想空間Uは、イヤフォンのようなものを耳に取り付ける事で自分自身がその分身アズとなり仮想世界を体験するのです。
だからこそ、現実の世界と仮想世界Uが別々の世界でありながら、その相互を影響し合うという事にもなるのでしょうね。
メタバースの中のアバター=分身アズ
登録者はオリジン(本物・実物)を明かす事なくUの世界を体験できます。
これはある意味、匿名であったり本性を隠せれば何でもできると言う、良い面でもあり悪い面でもあることを示しているのかと思います。
本来なりたい自分だったり、若しくは現実社会で抑え込められている事のフラストレーションの反動が分身アズを作り上げ、Uではその分身として存在します。
普通なら仮想世界を求めるのは現実離れがしたいからです。
それならば、仮想世界では現実など思い出す必要もなければ関係ないはずです。
でも、この作品では特に暴れ者として追われる身の竜の正体をみんなが知りたがり追いかけ追い詰めていきます。
何か不適切な存在となれば、ジャスティスからアンベイル=正体を暴露されると言うのが与えられる罰となっているのは、即ち登録者の一番の恐れは正体を知られると言うことなのだとわかります。
実は根本にある変身願望
ちょっと話は飛ぶのですが、考えてみれば昭和の頃から変身モノのアニメやドラマは有り、そしてそれは常にヒーローであったり憧れの対象だったりしました。
きっと、私たちはみんな変身願望があるという事の表れで、実は誰もが現実に満足していないと言うのも根本にあるのかもしれません。
竜とそばかすの姫はメタバースの世界、見どころと込められたメッセージを紹介!
お待たせ致しました#竜とそばかすの姫
今夜9時🌸地上波初昼と夜の長さが等しくなる秋分の日🍂まさに秋の夜長にピッタリ🍁国内屈指のクリエイター陣が集結した芸術作品です #竜そば pic.twitter.com/XXqznNFYUJ
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) September 23, 2022
さて、メタバースの世界、仮想空間Uを舞台にしたこの作品の見どころは一体どんなところでしょうか。
メタバースの世界の見どころ
とにかくこの作品でほとんどの人が賞賛するのが映像の壮大さです。
カラフルでユーモアなキャラクターが、縦横無尽に飛び回る世界が楽しめます!
細田守監督は、現実の世界と仮想世界の違いを表すためにUでの世界はCGで描き、現実世界の描写は本来の手描きという様に、その違いにあくまでもこだわったそうです。
とは言え、この作品はその二つの世界を主人公や登場人物が行ったり来たりする事で、まるっきり別々の世界に留まるのではなく、寧ろ仮想世界の中に現実垣間見られ現実世界とそれぞれ交差するのがこの作品の特徴です。
仮想空間メタバースUの壮大さに相応しい曲も高く評価されています。
ベルの歌声そして歌う曲の持つ役割の重さを重視したのか、例えばイタリアでの公開は基本的に吹き替えなのですが、ベルの歌う歌はオリジナル、即ち中村佳穂さんの歌う日本語の曲のまま残しています。
イタリアのレビューの中に、この事を高く評価しているの声が多くありました。
あえて雰囲気を変えてしまうリスクを取らずに原曲を残したのですね。
登場人物のアズを探す事も楽しいですね。
竜とそばかすの姫に込められたメッセージとは?
細田守監督は、アニメだからとただ幸せにみんなが楽しめる内容だけを描けば良いわけではないと語られていて、この作品内にも実際社会的な問題定義をしています。
現実と仮想世界という二つの世界、大人と子供、親子と言う様な対象物。
幸せとは程遠い気持ちで日々を過ごす控えめな女子高生が、世界中にフォロワーを持つ歌手となり、主人公の住む高知県と言う地方に対して見ず知らずの兄弟に起こっている危険を察するその現場は東京という都会である(実際は川を挟んだ武蔵小杉市)と言う事。
様々な二面性、二つの世界がこの映画の中には意図的に用いられています。
そしてその二面性、二つの世界を今はどちらをも同時に生きているとも言えます。
ネット利用者が増えた今、便利さよりも誹謗中傷やフェイクニュース、様々なプロパガンダなどと残念ながら府のイメージも多い中、それでもこの映画の中ではその仮想世界を通して主人公が成長していく様子や強くなっていく姿が中心の軸になっている様に思います。
物語の進行上に無理があるという酷評はとりあえずここでは置いておいて、ビジュアル的な世界と大まかなテーマ&メッセージ性に注目した時に、主人公すずがずっと抱えて生きてきた母親の死に対しての理解を、最後には理解できる様になっていく事もこの映画の中の大事なテーマだと思います。
細田守監督が日テレニュースの中のインタビューで、この作品を通して若者へ伝えたいメッセージを語っている記事がありましたので、そちらのリンクを紹介します。
ぜひ読んでみて下さい。
リンクはこちら。
竜とそばかすの姫はメタバースの世界!見どころと込められたメッセージを紹介!のまとめ
細田守監督の描くメタバースに憧れています!
あんな未来が近づいてますね。
楽しみです♪— HyoRyuKurage (@HyoKurage) September 29, 2021
今回は、竜とそばかすの姫はメタバースの世界!見どころと込められたメッセージを紹介!というテーマでお届けしました。
細田監督はもう20年ほど前から仮想世界メタバースの話をテーマにしてきていますが、この20年の間で現実世界もかなり変化してきましたよね。
更にこの先どうなって行くのか、仮想世界に飲み込まれないように気をつけながら変化を楽しんでいきたいです。
今回はメタバースの世界に注目して竜とそばかすの姫の見どころとメッセージを紹介しましたが、他のブログではなぜ酷評が多いのかやしのぶくんのASはあるのかというテーマでもお届けしています。
よかったら訪れてみてくださいね。