このブログでは、簡単なイタリアン豆料理冷菜編!乾燥豆から煮る時のコツも紹介!というテーマでお届けします。
豆料理というとどんなお料理を思い浮かべるでしょうか?
日本ではお醤油やお味噌という優秀な調味料があり、またお豆腐納豆なども日常的な食品なので栄養上そう意識しなくても豆類は取り入れられています。
でも、豆料理と言われると夏の風物枝豆は別として、餡子の小豆や甘納豆、お正月の黒豆の煮物やきんとん豆等々甘いイメージがありませんか?
私の母がイタリアの私の元に最初に訪れた際に、レストランで注文したいんげん豆の副菜にかなり驚き感動した光景がとても印象深く記憶にあります。
その時の言葉が「お豆って甘く煮ないでこういう食べ方もあるのね?」
今でも甘くないお豆を食べる時には必ず脳裏に蘇るシーンです(笑)。
という事で、簡単なイタリアン豆料理!
その中でも今回は冷菜的な料理方法を、乾燥豆から煮るときのコツも併せてご紹介したいと思います。
甘いお豆の印象を吹き飛ばして、レパートリーを広げてみて下さい!
まず最初に豆の種類
一言で豆と言っても種類は沢山あるし、しかも更には地方毎に呼び名がかあったりするので大変混乱しがちです。
今回はその中でも特によく使われる豆を3種類抜擢しますね。
よく調理されるのは何豆?
私が今回ご紹介するのはインゲン豆とひよこ豆、そしてレンズ豆です。
これなら日本でも手に入りますね。
インゲン豆と言う呼び名は実は総称で、模様があるか単色かなどにより実際はうずら豆・虎豆・金時豆・手亡などに分けられる様です。
イタリアでは豆を一般的に総称でFAGIOLI/ファジョーリ(複数形)と呼ぶ事が多いのですが、インゲン豆のうずら豆はBORLOTTI/ボルロッティ(複数形)金時豆の赤はFAGIOLI ROSSI/ファジョーリロッシ(複数形)、白はCANNELLINI/カンネッリー二(複数形)です。
ひよこ豆はCECI/チェーチでインゲン豆と違ってコロコロした形です。
そして、LENTICCHIE/レンティッキエはレンズ豆の事です。
乾燥豆を煮る時のコツを紹介!
日本の食文化の中に古くから豆類はあるので、今更煮る時のコツなんてという方もいるかもしれませんが、簡単にイタリアで耳にする注意点をご紹介します。
インゲン豆やひよこ豆の場合
乾燥した豆類はまず流水で良く洗い、傷んだ豆などは取り除きましょう。
その後最低一晩はたっぷりの冷水に浸しておきます。
冷蔵庫に入れたりする必要は有りませんが、夏の暑い日などは水につけているうちに発酵して沢山の泡が出てくる事がありますので、その場合は水を取り替えるようにします。
豆の大きさ・種類、生産されてからどれだけ立っているかなどにもよりますが、長く浸しておけばおくだけ煮る時に早く煮えて、しっかり煮えている方がお豆を食べた後に不快に感じるお腹の中のガスが溜まりにくいようです。
しっかり浸し時間が過ぎたら、また流水で良く洗いたっぷりとした冷水から火にかけます。
注意その1 茹で汁に塩を入れない!
塩を煮汁に入れてしまうと豆が硬くなり、豆の表面が割れ気味になります。
イタリアでは、豆の煮汁にローズマリーやローリエ(月桂樹)などのハーブやニンニクを入れます。
最近では日本食材の昆布も密かにお勧めされている様です。
常に弱火でゆっくりと、吹き出す原因になるので蓋は締め切らずに煮ていきます。
注意その2 お玉などでかき混ぜないこと!
お玉などでかき混ぜてしまうと、豆が崩れてしまいます。
かき混ぜたい気持ちを抑えて鍋を円を描くように優しく揺する様にします。
時間的には一時間から二時間が目安ですが、煮汁がなくなりそうになったら熱湯を足すようにしてください。
試しに豆を取ってみて、すぐに潰れる様なら大丈夫。
ただ、すぐにザルにあげたりせずにそのまま置いて覚まします。
注意その3 すぐ煮汁を切らない
豆を空気内に置いておくと、乾燥して表面が割れやすくなってしまいます。
また、煮汁にも栄養があるので捨てずに、イタリアではスープやリゾットで使ったりもします。
レンズ豆の場合
インゲン豆やひよこ豆はメニューに出したい日の前日から準備をする(水に浸す)必要がありますが、このレンズ豆は思い立って即料理、食卓に出せるので実は大変ありがたい食品です。
水に浸す必要もなく、流水で洗ったらたっぷりの水で40分から一時間くらいを目安ににます。
その際塩を入れないのは他の豆類と同様です。
私の場合は更に時間短縮で、圧力鍋を使ってしまいます。
圧力鍋なら10分強で柔らかくなりとても有り難いのです!
ただ、取り扱いについては十分ご注意下さいね。
簡単なイタリアン豆料理冷菜編の紹介!
豆さえ煮えてしまえば後は基本的に色んな食材と合わせるのみ!
サラダや和え物として活躍します!
そのいくつかをご紹介しますね。
インゲン豆(ひよこ豆でも)と玉ねぎの副菜
ポイントはスライスした赤玉ねぎ!
イタリアでは玉ねぎを生で使う時には大概赤玉ねぎです。
私自身も赤玉ねぎが大好きで、サラダには良く使います。
玉ねぎはスライサーで薄くスライスするのがコツ。
大好きなのですが、私自身は食べすぎると貧血を起こすので量は加減する様にしています。
このメニューにはレンズ豆以外がお勧め。
調味料は塩・黒胡椒・オリーブオイルとワインビネガーです。
イタリアだとお酢というとワインビネガーですが、もし強過ぎて苦手な方は普通の穀物酢やリンゴ酢などで試してみてくださいね。
レンズ豆が主役のサラダ!
私が好きなのは、レンズ豆にルッコラ・キュウリ・ミニトマト・赤玉ねぎ・コーン・ツナを加えて作るサラダです。
主役はあくまでもレンズ豆!
具材は好みで色々アレンジすると良いと思います。
きゅうりと赤玉ねぎはスライサーで薄切りに。
ミニトマトは食べやすく切りますが、もしミニトマトがなければ普通のトマトを小さく切ってもOK。
こうでなければならないというのがないのが私流です!
調味料は塩・黒胡椒にオリーブオイルとお酢。
この組み合わせは変わりませんが、バルサミコ酢がこのサラダにはお勧めです!
ワインビネガーを混ぜた後に少しだけお醤油を足してみるのも良いですよ!
少しだけ和風な感じになって、きっとリピ間違いありません。
インゲン豆とインゲンのサラダ
お好きなインゲン豆と、インゲンを混ぜ合わせたサラダ。
温野菜としても紹介できるのですが、ここは冷菜バージョンで。
一緒に加えるお勧め具材は茹で卵、茹でたジャガイモ、ツナ、オリーブやあれば乾燥トマトもお勧めです。
調味料は常に塩・黒胡椒にオリーブオイル。
お酢の代わりにレモンを絞ると爽やかです。
是非お試し下さい。
トマトとお豆とフェタチーズのサラダ
インゲン豆やひよこ豆にトマトとフェタチーズ、ルッコラや赤玉ねぎバジリコの葉っぱも相性良しです。
フェタチーズはギリシャのチーズなのですが、四半世紀以上前ローマで当時住んでいたアパートの下が当時大流行りだったサラダ専門店で、そこで初めて食べた瞬間から大好きなチーズの一つになりました!
塩気が強いので、調味料で加える塩を加減されて下さい。
お酢は入れずオリーブオイルに好みで黒胡椒を多めに入れてみて下さい!
ひよこ豆と塩だらのあえもの
イタリアではバッカラーと言って、保存食にもなる塩鱈があります。
それを数日水替えしながら水に浸けて塩抜きしたものを料理に使います。
塩抜きして茹でた塩だらをほぐしたり、又は適当な大きさにしたものとひよこ豆の相性がとても良いのです。
アクセントに玉ねぎのスライスを加え、やはりオリーブオイルとワインビネガー、好みで胡椒を加えて和えたものは温かくても冷たくても美味しくいただける一品です!
日本だと、その代わりにシラスや雑魚でもよさそうですね。
ツナ缶でも合う気がします!
是非お好みのアレンジを見つけてみて下さい!
イタリアンではありませんがもう一品レンズ豆のメニュー
ちょっとイタリア風から外れますが、レンズ豆を使ったメニューを最後にご紹介します。
カレー炒飯又はドライカレーを作る感覚でご飯の代わりにレンズ豆、それだけです。
私は圧力鍋で煮る際に、すでに細かく切った野菜なども入れてしまい(ただし塩は最後!)、煮汁を捨てた後にさっとカレーパウダーや他の調味料を混ぜて完成にする場合もあります。
洗い物も圧力鍋ひとつで済みますし(笑)。
我が家の比較的何でも食べる長男も、豆料理が苦手です。
でも、レンズ豆だと食べやすいらしくしっかり食べてくれます。
以前、痩せすぎの為に理想体重まで脂肪は増やさず筋肉で増やしたいという希望で栄養士の下に通った事があったのですが、その際にも一週間に一度は必ず言われた分量の豆を食べる様にメニューが組まれました。
その為私もいかに食べやすくなるのか色々試して、このドライカレー風レンズ豆料理も生まれました。
まとめ:簡単なイタリアン豆料理冷菜編!乾燥豆から煮る時のコツも紹介!
今回は、上質なタンパク質を含み、乾燥ものなら保存期間も長いし戻すと量は当然増えるのでコスパもとても良い豆類を、簡単な豆料理イタリア風!という事でご紹介しました。
これからだんだん寒い時期に向かうと、今度は煮込んだ豆料理が食卓に並ぶ様になります。
温かい豆料理もまた機会を見てご紹介しますね。
煮るのが手間だと思うかもしれませんが、多めに煮て冷凍保存も可能です。
その際は一回一回使う分量毎に分けて、煮汁と一緒に容器に入れて冷凍するのがお勧めです。
アレンジは沢山好みで出来ますので、是非皆さん自身の好みの味を見つけてみて下さい!
日本でも“畑のお肉”と呼ばれる豆類。
良質のタンパク質で栄養バッチリなので、是非食卓に積極的に取り入れていきたいですね!