今回は、イタリア人にとって日本語の発音は簡単?間違えられやすい日本語の例も紹介!というテーマでイタリア語の発音についてお届けします。
よく『日本人にとってイタリア語の発音は簡単か?』という質問をされます。
実は、私もイタリア語を学び始めた当初は『イタリア語って簡単そう!』というイメージからでした。
当時の仕事で必要だったのも事実ですが、外国語の中では耳に入りやすい言語、日本人に馴染みのある言語という認識があったのがイタリア語だったのです。
でも、その答えは簡単とも言えるしそうでもないとも言える・・。
どっちつかずで返答が難しいですね。
難しい理由としては、いくつかのアルファベットにおいて、そのまま読まないイレギュラーな例がある事、私の苦手な巻き舌が必要である事、同じエの発音でも口を小さくして発音するエと大きく開いて発音するエが存在する(英語もありますね)とか、細かく出せばまだまだあります。
でも、他の言語に比べればアルファベットの知識がある日本人にとって、ほぼ読む事が可能という時点で既に利点ですよね。
では、逆にイタリア人の立場から日本語の発音ってどうなのでしょう?
そんな疑問が湧き出ませんか?
という事で、今回はイタリア人にとって日本語の発音は簡単?間違えられやすい日本語の例も紹介!
楽しくお送りしたいと思います!
お付き合いください!
目次
イタリア人にとって日本語の発音は簡単?
公開レッスン
狭い部屋で目の前でその様子が見れて、とっても楽しかったですよ。やはりイタリア人には日本語発音しやすいのかな😄
イタリア人の先生の奥様も来られててて
「ふるさと」を歌ってくださったのですが
発音がとても綺麗だったのです。— ぷーどる (@puudoruocarina) April 22, 2019
イタリア人と日本人のお互いの言語に接する際の違いは、日本人はイタリア語を一部の例外を除けば読む事が出来る(なぜならローマ字を読んでいけば良い)のに対して、イタリア人は(イタリア人に限らず外国人にとっては)日本語で書かれたものを知識なしに読む事ができないという事です。
これは大きな違いですよね。
なので、あくまでも今回のテーマは発音という事で、日本語の表記もイタリア人が読めるアルファベットになっている事を前提にしたものです。
日本語は他のどの国民にとっても最も難しい言語の一つと言えると思いますので。
では、イタリア人の苦手な発音を紹介します
H の発音
イタリア語の中で、Hはまずないものと見做します。
動詞のする=AVEREの変換はHを用いていて、HO/HAI/HA/ABBIAMO/AVETE/HANNOとなるのですが、Hの音を発音せず省略となっています。
なので、例えばホンダはオンダに北海道はオッカイドォ、広島はイロシマ、ホテルはオテルと発音されてしまうのです。
ヒロコさん、ハナコさん、ハルオさんやヒロシさんなど、ハ行から始まるお名前の方は覚悟されてください(涙)!
また、単語の合間にある場合、例えばYAMAHAの様な場合はヤマハと発音出来ず、と言ってヤマアは言い辛いようでヤマカと発音している人が沢山います。
因みに、イタリア語でHはアッカです。
TSU ツの発音
イタリア人の苦手な発音のもう一つはツです。
と言っても例えば建物を表すPALAZZOパラッツォやPIZZAピッツァの様に単語の途中ではねる音ならばOKなのです。
最初の出だしがツだとかなり頑張ってツを発音する感じです。
ツダさんやツノダさんなどはイタリア人が発音しにくい名前になります。
イタリアでも大人気だった『キャプテン翼』、漫画のイタリア語訳を読んだイタリア人の間ではTSUBASAと主人公を呼ぶし覚えていると思うのですが、アニメではHOLLYオッリーと名前が変わっていましたっけ。
まぁ、イタリアでは名前変更は珍しくない事だったりしますので、発音しにくいからという理由ではないと思いますけれど。
車のマツダもとても有名なので誰もがマツダと知っていますが、ツを発音するためにツにアクセントがついているような呼び方でちょっと不自然だったりします。
N ンで終わる発音
何故だか不思議とイタリア人にとって『ん』で終わる言葉を発音するのは難しいみたいです。
イタリア語にも例えば数の一つを表す『UN』とかあるのですが、『ウン』で終わらずに単語が続くのが普通です。
ウンパニーノ(一つのパニーノ)とかウンジョルノ(一日・いつか)とか。
なので、『ン』でストップさせる事が難しい様なのですね。
どう言う事かと言うと、『ン』ではなく『ンヌ』とかすかにヌがくっついてしまう様なそんな発音になりがちなのです。
プリンはプリンヌに、メロンはメロンヌに・・みたいに聞こえます。
でもAC MILANのミランって言えているのは何故だろう(笑)?
イタリア版江戸っ子のトスカーナ人
既に江戸っ子の様な例を前述したのですが、もっと江戸っ子現象に近いケースをご紹介します。
フィレンツェを州都とするトスカーナ州の方言として、カキクケコ(イタリアではカケキコク)が発音出来ないという現象が有名です。
トスカーナ人がコカコーラと言おうとするとホハホーラ(文字にするとちょっと大袈裟になりますが)になるのです。
ケイコさん、覚悟して下さい!
トスカーナ人にかかるとヘイホさんになる可能性大です!
イタリア人に間違えられやすい日本語の例も紹介!
イタリア人が日本語を勉強してる時の敵は「は行」。現在も発音を間違える時もある。
遅い・細い
洗う・払う
足・橋
エビ・蛇
握手・拍手これは本当に難しい。
— マッシ 🇮🇹🇯🇵 日伊逐次通訳者 (@massi3112) June 14, 2021
イタリア人に間違えられやすい例として、私が最初に挙げたいのはギの発音です!
GI の発音
イタリア語ではジと発音します。
一番イタリアで間違って覚えられているのが空手着や柔道着、剣道着などです。
我が家は息子たちを幼少の頃空手に通わせていましたが、最初カラテジとは何のことを言っているのかわかりませんでした。
後から、『あぁ〜なるほど空手着の事か!』と。
アルファベットで書くとKARATEGIですものね。
他の日本人の方々との交流の際に、柔道着や剣道着にも同じことが起きていると知り、もはや残念ながらイタリアでは着はジで定着してしまっているのだなと思った次第です。
そうそう、悲報ですがアニメのドラえもんの中の出来杉くんはイタリアではデキスジ君です(苦笑)。
寿司のにぎりがニジリと言われたり、おにぎりがオニジリだったり、知っている日本語があるよと得意気に披露してくれる人たちの口から出るのがこういう発音だったりします。
J の発音
Jもイタリア語のベースのアルファベットの中にはない文字なので、イタリアなりの発音になってしまいます。
とはいえ、ジュンコさん、ジュンイチさんの様に最初にJが来るお名前はその通り発音してもらえることと思います。
単語の合間にくる場合、例えばJAの時にはヤと発音されるケースが多いと思います。
因みにアルファベットのJはイタリア語ではウルンゴです。
Y の発音
Yもイタリア語の中では存在しません。
イタリア語で例えばYAという発音はIAと書きます。
ヤマダさんの場合はヤマダさんと呼んでもらえますが、イタリア人からのメモはIAMADAさんになっている可能性大です(苦笑)。
因みにYはイプシロンと発音します。
車のランチャにイプシロンという車がありますね。
CH の発音
イタリア語ではCHはク(但し詰まった音)となります。
その為、CHAはチャと発音するよりカになり、CHIはチではなくキに、CHUはチュでなくク、CHEはチェでなくケ、CHOはチョでなくコと発音されます。
RA・RI・RU・RE・RO
日本語のラリルれろはアルファベットにするとRで表されますが、イタリア語のRの発音とはちょっと違います。
と言って、Lでもありません。
イタリアだとRは巻き舌でLは舌を上にくっつけた様な発音です。
なので、イタリア人に発音されるとちょっと違和感を感じることもあるかもしれません。
逆に言うと、日本人の不得意なイタリア語の発音がこのRとLの区別であったりします。
お互い様・・と言うところでしょうか。
イタリア人にとって日本語の発音は簡単?間違えられやすい日本語の例も紹介!まとめ
確かイタリア語って、日本語と発音似てるらしいから、イタリア人にとって日本語って言いやすいのかもな。 https://t.co/AM34SgNRCq
— 𝙃𝘼𝙍𝙀 🌞🇾🇪♦️ (@8Red_) July 21, 2022
今回は、イタリア人にとって日本語の発音は簡単?間違えられやすい日本語の例も紹介!というテーマでお送りしました。
日本人にとってもイタリア語の発音は簡単そうで落とし穴があるように、イタリア人にとっての日本語の発音も間違いやすかったり発音しにくいものがあったりします。
それでも子音と母音の組み合わせで言葉が成り立っているものが殆どなので、お互いにとって耳障りの良い言語であることは間違いありませんね。
各国の発音の特徴とか話し方とかを知るのも興味深いです。
最後までお付き合いありがとうございました!