2024年もあっという間に日々過ぎていきます。
ありがたい事なのですが、毎日がいそがしい!
今年は言い訳をしない年にする!と新年の誓いを立てたのに、初っ端から挫けそうです。
『あ〜、いそがしいそがしっ!』
という言葉が頭の中でぐるぐるしていたら、とても衝撃的な言葉が耳に入ってきました。
『いそがしい』とは心を亡くすと書く!
・・ご存知でしたか?
日本語ってなんて素晴らしいのでしょう。
一方イタリア語は?
という事で、今回は『いそがしい』という言葉を日本語とイタリア語で表した時に、伝わるニュアンスの違いとそこから私自身が感じたことをシェアします!
是非お付き合いください!
目次
日本語とイタリア語の『いそがしい』

日本人は真面目で勤勉と言われます。
長年イタリア生活をしてきた中で、それは自他共に認める長所だとずっと信じてきました。
コロナ禍において、私たちはそれまでのライフスタイルというものを強制終了をさせられたり、変えざるを得ないといった状況に向き合わされました。
その中で働き方を見直したり、それまでの様にただただ働き詰める事が決して良いわけではないと言う客観的事実にも気付かされた方も多いと思います。
これまで戦後や震災の後に、この日本人の真面目で勤勉な民族性のお陰様で復興を成し遂げてきたと言うのは事実であり、それは誇りです。
ただ、日常的にも『いそがしい』と口にすることが多く、その状況に慣れ切ってしまっているのも否定はできないと思うのです。
寧ろ『いそがしい』状況でないと不安になったりして、自ずから忙しい状況を作り出している気すらしています。
正直言って、『いそがしい』って一番言い訳になりやすかったりもしますよね。
日本語での『いそがしい』を漢字から読み取る!
『いそがしい』を漢字にするとりっしんべんに亡くすと書きます。
りっしんべんは心を表すので、“心を亡くす”という意味で、それほど余裕がない状態を言うようです。
確かに、自分自身忙しいと頭も身体もとにかく余裕がありません。
そして、いそがしいいそがしいと自分自身が口にすることでどんどん機械的になり、心ここに在らず・・となるのです。
本当に昔の人はすごい!
イタリア語の『いそがしい』のニュアンスは?
日本語の『忙しい』に対してイタリア語ではどうなのか、気になります。
和伊辞典で『忙しい』を調べた時に出てくる単語は:
“IMPEGNATO(I)/IMPEGATA(E)”か“OCCUPATO(I)/OCCUPATA(E)“です。
イタリア語は名詞・形容詞には女性形・男性形・単数形か複数形かで単語の末尾が変わるので表記するのがややこしい!
男性単数形以外は省略させてください。
最初の単語『インペーニャート』はニュアンス的には用事があると言う意味です。
一方『オックパート』はふさがっていると言うニュアンス。
お手洗いの使用中のサインや、席や部屋が予約済みであるという時にも使う単語なのでイメージしやすいのではないかと思います。
日本語とイタリア語の『いそがしい』のニュアンスの違いから感じる事とは?

今まであまり考えずに『忙しい』と辞書で引いた単語を使ってきましたが、訳文にすると微妙に伝えたいニュアンスは違ってきてしまいます。
それは『忙しい』と言う単語に限った事ではありません。
習慣も違えば国民性も違う上に成された言葉を訳するのは、容易な事ではありません。
たった一つの単語を通訳するのに、長々と説明しないとならない事も多々あります。
例えば日本人の間ではオールマイティの挨拶である『よろしくお願いします』というフレーズも、実際通訳する時には状況に応じて別の文章を探し当てなければなりません。
『忙しい』という単語に話を戻すと、日本語からのイメージだとやることがいっぱいで心をなくすほど余裕のない、せかせかしたイメージです。
でも、イタリア語に訳すときに辞書通りの言葉で表現すると、あくまでも用事で予定が塞がっているに過ぎません。
やっぱり言葉ってお国柄を表すのでしょうね。
ちなみにイタリア人も、よく『忙しさ』を訴えます。
イタリア人の場合、表現がオーバーすぎるせいかもしれませんが。
そういう時にはどう表現するのかというと、インペーニャートやオックパートという単語に『常に』という意味のSEMPREセンプレとか、『用事がありすぎる』という意味になる様にTROPPOトロッポを加えて強調する事が多いです。
それ以外には『用事が多くて収拾がつかない』とか、『パニック気味だ』の様に、状況を説明することで日本語の『忙しい』のニュアンスに近づけることもできますね。
あくまでもこれは想像ですが、それぞれの言葉ができた際に日本人は心をなくす程の状況が普通にあったので『忙しい』という一言に収まり、一方でイタリア人の生活リズムはそれほどせかせかしていなかっ証ではないかなと思います。
忙しいとは?!日本語とイタリア語のニュアンスの違いをシェア!まとめ

今回は、『いそがしい』という一つの単語について、日本語とイタリア語の言葉のニュアンスの違いやそこから考えついた事をシェアしました。
私は専門家ではないので、あくまでも30年以上イタリア暮らしをしてきた中での想像です。
今後このブログの中で、この様なちょっとした事もどんどんシェアしていきたいと思っていますので、応援していただけると嬉しいです。
そうそう、大切なこと!
もし心を亡くしそうになったら、まずは大きく深呼吸をして心を取り戻すようにしましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。