今回はガス代節約で吹きこぼし無しのパスタの茹で方とは?コツや応用法も紹介!というテーマでお届けします。
きっかけは友人が送ってくれた2022年10月2日日曜日の朝日新聞『天声人語』の切り抜きでした。
ヨーロッパの深刻なエネルギー危機が懸念され、しかもそれが毎月(実際は2ヶ月ごと)の請求書に如実に表れてきているので、この冬をどう越せれば良いのかと不安が募る今日この頃。
コロナウィルスとの共存体制に入り日常生活における規制がほぼ撤回されたイタリアでは、やっと以前のように食事会など人との会食の機会も増えてきてきたところです。
そんな矢先、今度はエネルギー価格の急騰により飲食業を筆頭にさまざまな業者が再び営業難の現実を突きつけられているのです。
その天声人語の記事は、昨年のノーベル物理学賞受賞者であるローマ大学のパリージ教授がエネルギー節約するパスタの茹で方を提唱したところ、プロの料理人たちが非難の声をあげているという内容でした。
とは言え、大人数分を茹でる上に時間との戦いである飲食店と一般家庭ではやはり違いますよね。
そこで我が家でも実践したところ、個人的には『これは使える!』と思いました(笑)。
という事で、ガス代節約で吹きこぼし無しのパスタの茹で方とは?コツや応用法も紹介!早速シェアさせていただきます。
どうぞ最後までお付き合い下さい!
目次
ガス代節約で吹きこぼし無しのパスタの茹で方とは?

結論から先にお話しします。
その方法とは、沸騰した鍋に塩とパスタを入れた後パスタに記載されている茹で時間より1分長くタイマーをかけ、2分ほどパスタをかき混ぜたら火を止めて鍋の蓋をし放置!というものです。
何とも簡単な!
確かにそれなら通常10分前後の茹で時間の間、つけっぱなしのガスを節約できますね。
しかも鍋からの吹きこぼしの心配もありません!
イタリアの場合はほぼ毎日、一日一回はパスタを食べるという家庭が多いので、年間を通して考えたらこれはとても賢い節約方法と言えます。
ここで、天声人語を一部そのまま紹介させて頂きます。
2022年10月2日『天声人語』の記事(一部のみ)より
鍋の水を沸騰させてパスタを入れ、2分後に火を止めて蓋をする。そのまま通常の茹で時間より1分だけ長く置く。年間数千円の光熱費が節約できるというこの新たのパスタ調理法をめぐって、イタリアで論争が起きている。
発端は昨年のノーベル物理学賞を受けたローマ大のパリージ教授が「蓋をして気化熱を減らすと効率が良い」と薦めたことだった。ロシアによるウクライナ侵攻のあおりを受けるイタリアで、インフレは深刻な状況にある。それでも、国民食のパスタに手をつけるほどだとは。
ここで、料理人たちが意地を見せた。「ベタベタして食べられない」「火をとめずふたをするな」と猛反発した。やはり、パスタは譲れない線だったか。「水からゆでる方が節約できるといった新説も出て、議論は迷走状態に。
冬を前に、人々の不安は募る。ローマの友人は2ヶ月分の光熱費が昨年比で2.5倍の約11万円に跳ね上がったと嘆いた。
この話をイタリア人のお友達との話題で取り上げたところ、一人のお友達は今からもはや25年以上前の結婚祝いの贈り物の中に、パスタを火を止めて余熱で茹でる為の専用鍋があったと言うのでびっくりしました。
そんな専用鍋が存在していたとは!
要するに、保温を保てて冷めにくい作りの鍋なのではないかと思われます。
彼女曰く、最初の頃は使っていたものの、忙しかったり腹ぺこ家族をたとえ1分でも長く待たせるのも焦ったくなり、もう何年も納戸の奥に仕舞い込んだままだそうです。
エネルギー価格高騰の現状を思うと、また引っ張り出してこようかしら?と言っていました。
実際はその様な専用と謳っている鍋が必要な訳ではありません。
ある程度しっかりした素材の鍋(ステンレスや錫製など)であれば普段使っている鍋で大丈夫です。
放置する茹で方だとベタベタする?
この天声人語の中に取り上げられている、シェフたちの猛反発の声に注目します。
その様な放置法を取ると、パスタは本当にベタベタするのでしょうか。
パスタそのものは茹でると確かに沢山の糊が発生します。
それを鍋の中で10分前後もかき混ぜずに放置するのでベトベトしやすい、という事なのだと思います。
パスタの種類やメーカーにもよるのかもしれませんが、我が家でよく使用するスパゲッティのようなロングパスタ、ペンネ・メッツァマニケ・リガトーニと言ったショートパスタでそれぞれこの方法を試してみましたが、特に気になる程ベタベタになった感じはしませんでした。
レストランでは大量のパスタを茹でる必要があるので、一般家庭で家族分を茹でるのとは訳が違うのかもしれませんね。
料理人達の猛反発の裏に感じるもの
ちょっと話はずれるのですが、ここでイタリアで暮らしている私個人の見解を少しだけ。
天声人語では著者自身もこの方法を試してみた結果、次のようにコラムを結んでいます。
ふたをして待つこと9分。柔らかめのスパゲティの食感に、料理人の誇りを見た思いがした。
私はこの記事を読んで、料理人達の猛反発は伝統のパスタの茹で方に対する誇りというよりも、どちらかと言うと政治的な反発を感じました。
何故ならこのコラムの結びの様に、この方法のせいでパスタが柔らかすぎになる事は私が実践してみた限りは無いからです。
コロナ禍には外出に罰金すらかけられたロックダウンやマスク着用義務に耐えてきた国民は、やっと営業再開や業務復活した矢先に今度はインフレに悩まされ、エネルギー価格の急騰に歯止めがなく生活が苦しくなる一方で、もういい加減にしてほしいという政府への不満の方が多いのだと思います。
友人からこの記事が送られて読んだ際、確かにパスタを茹でる上での節約法も興味深いものであったものの、この料理人達の猛反発はイタリア人にとってのパスタという国民食を象徴としての政治的な反発であって、そういう意味での“料理人達の誇り”を感じたのでした。
茹で方のコツや応用法も紹介!
#Tortellini in #brodo. We must be in #Bologna! 🇮🇹😋 pic.twitter.com/V83qWqd0pE
— Sapori e Saperi (@saporiesaperi) March 26, 2018
さて、何はともあれ一般の庶民にとっては『節約』できるならありがたい話である事には変わりありません。
実際に試してみた中で、ほぼ失敗なくパスタが茹でられる方法というのを紹介してみたいと思います。
茹で方のコツあれこれ
元々普通に茹でる時にもパスタに対してたっぷりのお湯が必要と言われます。
理想(原則というべきか)はパスタ100gに対して1ℓのお湯に10gの塩。
とは言え、たとえば500gのパスタを茹でようとしたら5ℓのお湯が必要な訳で、相当な大鍋が必要となります。
また、来客があって普段よりも多い量のパスタを茹でようとしても対応できる鍋がないというケースもあり得ますよね。
少ないお湯で茹でようとすると、確かに糊でパスタはベタベタになる可能性があります。
最近は鍋でパスタを茹でず、ソースの中に直接乾燥パスタを入れて茹で絡ませるというシェフの動画をみたことがあるのですが、さすがにその方法だとパスタはベタつきました。
パスタから出る糊を一切取り除かずに絡める事になるので当然と言えば当然ですが。
試した結果私の結論は、放置法でも同じように十分な量のお湯は必要という事です。
“たっぷり”なお湯の鍋の中なら失敗はないと思います。
パスタを入れて軽くかき混ぜたら2分と言わずにすぐに火を止めても大丈夫です。
後は記載されている時間よりも1〜2分長めに。
パスタの特徴にもよるので茹で具合をきちんと確認してみる事をお勧めします。
パスタの選び方
日本でどのくらいの種類、どれだけのメーカーのパスタがあるのかわかりませんが、比較的茹で時間の長いパスタを選ぶと、柔らかくなりすぎというような失敗は防げると思います。
とは言え、忙しい日々の中での食事の支度であれば、短い茹で時間のパスタの方が良いという方もいると思いますので、それはライフスタイルに合わせて試されてみて下さい!
ベタつきを防ぐ一工夫
お米を炊く時にも糊でのベタつき防止に油を少し足すことがあると思います。
パスタも同じくで、もしベタつきが気になる様であれば試しにオリーブオイルなどを茹でる際にサラッと加えてみて下さい!
ベタつきを抑えてパスタ同士のくっつき防止にもなりますよ!
放置する茹で方を応用する
パスタの中にトルテッリーニという詰め物をしたパスタがあります。
中でも我が家の男児は肉詰めや生ハム詰めのトルテッリーニが好きで、特に冬になると野菜スープや鶏がらスープなどでスープパスタにする事がよくあります。
その際にトルテッリーニは別鍋で茹でてからスープに入れるのではなく、直接スープの中で茹でることでより味も染み込ませる事ができるのです。
但し、しっかり茹で時間を茹でてしまうと形が崩れがちだったり、逆に中に火がちゃんと通らなかったりする事がある為に、スープの中に入れて少し沸騰したら蓋をして放置!
そうすると、蒸らす様な感じで詰め物パスタもふっくらと味もしみこみちょうど良い感じに出来上がります。
ということは、私が今までスープ煮のトルテッリーニでしてきた方法は正にこのガス代節約吹きこぼし無しのパスタの茹で方そのものだ!と思いました。
節約の意識はありませんでしたが、正に一石二鳥だった訳です。
これぞ主婦の知恵と言えませんか(自画自賛・笑)?
ガス代節約で吹きこぼし無しのパスタの茹で方とは?コツや応用法も紹介!のまとめ

今回は、ガス代節約で吹きこぼし無しのパスタの茹で方とは?コツや応用法も紹介!というテーマでお届けしました!
余談ですが、イタリアでは中学や高校は基本的に午前中授業のみなので、子供達は帰宅してから食事をします。
授業は13時半頃まであるので、時には昼食が14時半頃になってしまう時もあるのです。
我が家は少し不便な田舎でもある為少し離れたバス停までの迎えも必要です。
そんな日常生活の中でこのパスタの茹で方を実践する様になってから、帰宅してすぐに茹でたてパスタをソースに絡めるだけで食卓に出せる様になりました。
今までは先に出来上がった状態で迎えに行くか、帰ってきてから鍋を再沸騰させてパスタを茹でるかのどちらかだったのです。
先に作ってしまうと例え保温容器に入れたとしてもパスタはかたまりがちだったり、と言って帰ってきてからだと作りたては食べられても昼食の時間がより遅くなってしまうので頭を悩ませがちでした。
幸い迎えに行って帰ってくるまでの時間が10分強位なので、この方法は我が家にとって最適です!
その為に我が家では長めの茹で時間を要するパスタを選ぶようにしています。
もしピンときたら試してみてくださいね。
最後までお付き合いありがとうございました!