こんなニュースが流れてきました。
時事通信ニュースの記事で【猿をいじめるな サル痘感染で誤解-WHO】というものです。
ブラジルの話ですが、サル痘感染で猿が原因と誤解した人たちによって猿いじめ(記事を見る限りいじめというより殺害です!)が起きている事です。
これはあまりにもひどくないですか。
許し難い実態に憤りを感じます。
サル痘という名前はなんとかならないのでしょうか。
これはあくまでも氷山の一角で、きっと世界中で猿に対しての印象を悪く事態が起きているに違いありません。
サル痘は猿とは関係無い!
なのになぜサル痘と呼び続けるのでしょう。
今回のサル痘感染における問題では、一番被害を受けているのは猿の様な気がします。
このニュースがあまりにも衝撃で、今回はそれを取り上げます。
尚、サル痘という名前に対する内容でウィルスの説明や治療に関する記事ではありません。
時事通信の記事から
ブラジルでの報道によると、サンパウロ州の保護区では最近、1週間足らずの間に10頭が毒を食べさせられたり、暴行されたりしたと疑われている。WHOの統計では、ブラジルのサル痘感染者は累計1700件を超え、1人が死亡した。
デンマークで最初にサルからウイルスが見つかったことから「サル痘」と呼ばれるだけで、その後は他の動物からも検出され、最も多いのはネズミなどげっ歯類だと報道官は指摘した。動物から人間への感染もあり得るが、最近の拡大は人間同士によるものだと説明した。
報道官は「関心を払うなら、人間社会のどこで感染が起き、人間同士で何ができるかという点だ」と強調。「動物をいじめるなんてもっての外だ」と批判した。その上で「症状があると感じたら、医療機関を受診し、他の人に感染させないよう予防に努めてほしい」と呼び掛けた。
記事を読んで唖然としました。
混乱はどこまで人間を無知にし残酷にするのでしょう。
これだけネット社会で情報がありふれている世の中になっているというのに、いやむしろありふれすぎているからこそ、肝心な真の情報が埋もれて見えなくなっている、もしくは見つかりにくいのかもしれません。
何が真実かが理解しにくいのはどの時代も同じかもしれませんが。
なぜサル痘という名前がつけられたか?
サルが原因じゃないのにサル痘なんて名前つけられちゃってお猿さんにはいい迷惑だよね。誤解してる人多いんじゃないかな #サル痘 #さる痘
— 後藤 正 (@H_D_shovelhead) August 3, 2022
なぜサル痘という名前がつけられたかに関しては、2022年付のBUSINESS INSIDERの記事で次のように説明されています。
サル痘にかかる霊長類は人間だけではない。サルにも感染することから、この名前がついた。サル痘の原因となるウイルスは、1958年にデンマークに輸入された研究用のサルの集団で初めて発見された。この感染症は、天然痘(smallpox)に似た発疹が症状として現れたことから、科学者たちはこれをサル痘(monkeypox)と呼んだ。
尚、同記事の中には、次の様にも書かれています。
「このウイルスの名前はひどい間違いだ。しかし、今となってはそれを変更することはできない」と、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の疫学者で、アフリカの数カ国でサル痘のアウトブレイクについて長年調査しているアンドレア・マッコラム(Andrea McCollum)がInsiderに語っている。
全てはこの紛らわしいネーミングがもたらしている混乱な訳ですが、それがひどいと言われながらも変更出来ないというのもまたひどい話です。
最初に名前をつける人はしっかり後々の事を考えて欲しいものです。
世界中での言語に訳されたウィルスの名前に『猿』という言葉が含まれてしまう悲劇は、猿にとっては飛んだとばっちりで風評被害そのものです。
ただでさえ、“研究用に利用された”気の毒な動物の一種なのに。
今一度冷静さを取り戻したい

このニュースを見てどうしても黙っておられず、今回テーマとして取り上げました。
ですが、この様な問題はサル痘に限らず今の時代は起こりえる話です。
これほど情報に溢れた時代はかつてありませんでした。
でも、専門家でなくとも多くの専門的な情報が得られる便利な部分と、だからこそ見極める力がなければ逆に翻弄されやすいという負の部分と両方を兼ね揃えているのも事実です。
何が正しい何が間違っているというジャッジをしようというのではなく(そもそも専門家でなければ無理ですし)、否応無しに入ってくる情報全てに振り回されるのではなく、不安や恐怖に煽られる事もなく冷静に淡々と見過ごすことで、乗り越えていける事もあるのでは無いかという気がします。
今回実際に起きた猿いじめは、結局は恐怖心や不安からくるものであり怒りの矛先とされたにすぎません。
時事通信の記事内にもありますが、猿に矛先を向けるのではなく人間社会のあり方を見直したり防ぐ方法を考えるべきと思われます。